テレキャスター@研究所

テレキャスター・マニアの管理人によるテレキャスターの魅力追求ブログ。テリーにまつわる雑学や、テリー・マスターの名演動画など。

テレキャスの基礎知識

ストラトキャスターとテレキャスターの音色

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ネット上のQ&Aサイト等では、
・ストラトキャスターとテレキャスターの音の違いは?とか、
・ストラトキャスターとテレキャスターどちらがお勧め?
などいう趣旨の質問が、割と頻繁に書き込まれています。

これに対して、何度かに分けて、私なりの意見を書いてみたいと思います。

第一弾は、ずばりストラトとテレキャスの音色についてです。



実は私、テレキャスに走る前は、ストラト一辺倒で20年近くすごしてまいりましたが、ストラトとテレキャスの魅力を各々一言で言い表すと、『ポップ』と『ストレート』だと思います。

ストラトの音は、
・ダブルカッタウェイ&思いっきりコンタードないびつなボディ形状
・シンクロナイズドトレモロによるバネ鳴り
・ピックアップの宙づり構造(ピックガードが表面板のセミアコと言う説も有り)
などが奇跡的なバランスで結合して、何とも言えない『ポップ』なサウンドになっています。

エレクトリックギターの美味しい音域だけが絶妙に取り出されていると言っても良いでしょう。

これに対して、
・シングルカッタウェイ&コンタード無しのボディ形状
・弦振動がダイレクトにボディに伝わる裏通しトレモロレス構造
・リアはブリッジ直付け・フロントはボディ直付けのピックアップ
というシンプルな構造により、『ストレート』な音色を持っています。

もちろん、シグネイチャー・トーンとも言える高域も魅力ですが、実は低音域・中音域も十分に持っていて、レスポールみたいな音にもなりますし、ストレートなジャズなんかでも対応出来るポテンシャルが有ります。
※各々、ジミー・ペイジがテリーで大暴れテレキャスターでもジャズが出来る!をご参照下さい。

この中で、歌物のポップスを典型とするポップな色彩の音楽にはストラト・カントリーやらロックンロールのようなストレートな音楽にはテレキャスターが好まれる傾向が出てきているのでしょう。


参考に弾いている時代は違いますが、ジェフ・ベックが同じ曲をストラト・テレキャスで弾いている動画を並べてみます。





この人の場合、ジェフ・ベック先生の音という印象の方が強いかも知れませんが(笑)。

ブリッジカバーは何のため?

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テレキャスターの付属品として、ブリッジからリアピックアップにかけてをガバッと囲ってしまうブリッジカバーがあります。

これを付けてしまうと、ブリッジ・ミュートが効かなくなるので、付けて弾いている人はほとんど見かけませんが(アルバート・コリンズ位ではないでしょうか?)、これは何のための物でしょうか?


色々説はあるんですが、有力なのは以下の2つくらいかと。



1.ペダル・スチールギターに付いてたからそのまま...

テレキャスターは、先にエレクトリック化が進んだペダル・スチールギターを発展させた物。

そして、ペダル・スティールギターは、奏法上ブリッジカバーが必須。

この中で、ギター奏法に詳しくない(というか、チューニングすら出来ない人だったそう!)レオ・フェンダーは、あんまり考えないでブリッジ・カバーを付けた、という説。

歴史の流れを踏まえてますし、なんとなく有りそうな気がしますね。



2.ブリッジやピックアップの錆防止+シールド

ブリッジは、直接手が当たる部分で、しかも構造がややこしいので放置しておくと劣化の原因になります。

更に、リアピックアップも、構造上汗やら何やらがかかってしまう位置にあるので、放置しておくと錆などの原因になります。

という訳で、カバーをすることで、錆なんかを防止しよう。ついでにフロントと違って、カバーの無いリアピックアップのシールドにもなるしね!という説。

ストラトにもブリッジカバーが付けられていたことや、一挙両得という合理的思想が実にレオ・フェンダー的で、これも有りそうですね。



結局、真相は藪の中なんですが、ブリッジカバーを付けたテレキャスって、何気に可愛かったりしますよね!

これを付けると、副次効果で、激しいアクションをしても手を怪我しにくい(激しいアクションをする人にとって、あちこち尖っているテレキャスのブリッジは凶暴な存在です)という物もあります。

ブリッジミュート不要の、ギターかき鳴らす系奏法がメインで、かつめちゃめちゃ激しいアクションでギターを弾く方は、ケースの奥にしまっている(笑)ブリッジカバーを付けてみるのも良いのでは無いでしょうか?

テレキャスター・カスタムは、ややこしい

テレキャスターには、いろいろなヴァリエーション・モデルが存在しますが、テレキャスター・カスタムというのはちょっとややこしい存在です。


【カスタム・テレ】1959~1968

まず1959年に、カスタム・テレキャスター又は、テレキャスター・カスタムと呼ばれるモデルが発売されました。

この時のカスタム・テレは、レギュラーモデルではアッシュ材であったボディに、ストラトでお馴染みのアルダー材が使用され、さらにボディにバインディングが施されているのが特徴です。

ポリスのアンディー・サマーズが、これにフロント・ハムを乗っけて、ブースターも内蔵して使ってますね。


【テレキャスター・カスタム】1972~1981

次に1972年にテレキャスター・カスタムの名を冠したギターが発売された際には、フロントにハム・バッキングを配し、2ボリューム・2トーンの、以下のようなギターでした...全然違うんですけど(笑)。



ちなみにこちらは、キース・リチャードが使用している印象が強いですね。


【テレキャスター・デラックス】1972~1981

さらに、後者のギターとほとんど同じ特徴を備えたギターが、テレキャスター・デラックスという名前で発売されていました。

見分け方は、ハム×2なのと、デラックスにはストラトのラージヘッドがついているというだけ...。



以上のように、テレキャスター・カスタムというのは、なにやらややこしいギターなんですね。

とはいうものの、前者のアルダー・モデルも、後者のフロントハム系のモデルも、どりらも独特なかっこよさがあって、全部ほしくなって困るんですが(笑)。

世界初のエレキギターは、テレ??

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テレキャスターは、エレキギターの元祖のような言われ方をしており、「世界初のエレキギターはテレキャスターだ。」という認識の方もいらっしゃるかと思います。

ただ、この認識は、正確に言うと、ちょっと間違いです。

まず、世界初のエレキギターに関しては、『発明』規準で行くと訳が分からないですし(寺内タケシ師匠曰く、「自分」が作ったということですし...)、『販売』規準でも受注生産なんかは実態が掴めませんので『量産』規準で考えざるを得ません。

そうすると、一般的には、リッケンバッカー(あのビートルズでお馴染みのギターメーカー)のフライング・パン(1931年)だと言われています。

但し、これは、スティールギター(横置きで弾く物)で、フツーに弾くエレキギターの世界初は、ギブソンのES-150(1935年)と言うことです。

更に但しで、これはアコースティック・ギターにピックアップを付けた物で、ソリッド・ボディーではありません。

で、世界で初めて量産販売されたソリッド・ボディー・エレクトリックギターが、テレキャスター(1950年~)ということになるわけです(笑)。

以上、人に話すと嫌がられそうな豆知識でした。

※追記1

世界初の量産型ソリッド・ボディー・エレクトリックギターの『発表』に関しては、1ピックアップの兄弟モデル「エスクワイヤー」だったそうです。

※追記2

テレキャスターの販売当初の名称は、『ブロードキャスター』。これにグレッチ社からのクレームが付いて名称変更されました。

テレキャスターの5つの短所

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テレキャスター好きの管理人ですが、『恋は盲目』にはなって折らず、ちゃ~んと短所も認識しています。

ヴィンテージ(コピーを含む)タイプのテレキャスを前提にして、その短所についても触れておきたいと思います。


【短所1】チューニングが合わない

ノーマル・テリーのブリッジは、2弦で1つを共有する3ウェイなので、オクターブチューニングを完璧に行う事は出来ません。

この点を嫌って、ブリッジを改造(6ウェイタイプに変更等)する方も多いです。


【短所2】指板のRがきつい

まあ、この点は、ストラトも共通する短所ですが...。

フェンダー社のヴィンテージタイプのギターはRのきつさまで、オリジナルを忠実に再現しています(苦笑)。

このため、弦高を低めにセットして、思いっきりチョーキングしたりすると、音が詰まってしまいます。


【短所3】身体へのフィット感が...

ヴィンテージタイプのテレキャスは、ストラトのようなコンタードが無いので、ストラトと比べて身体へのフィット感に劣ります。

ストラトになれてる方など、「肋骨が痛い」と感じる場合も有るほどです。


【短所4】ボリュームが操作しづらい

この点も、ストラトと比較しての話ですが...。

ボリューム位置がストラトに比べて、ピッキングポジションから遠いので、ストラトになれた方は、ボリューム操作がしにくいと思うかも知れません。

ただ、ギブソン系のギターとの比較では、圧倒的に操作しやすい位置と言えますし、「ストラトのボリュームの位置は、近すぎる」という意見もありますので、最終的には好みの問題に成るんでしょうね。


【短所5】フロントピックアップの出力不足

これも好みの問題も有ると思いますが、一般的にテレキャスのフロントPUはリアPUに比べ出力が低いといわれています。

このことから、フロントのみハムバッキングにする等の改造も、一般的になっています。


以上が、テレキャスの短所です。テレキャスに挑戦してみようかな~なんて思ってらっしゃる場合は、「この辺りを自分で許せそうかどうか」も、試奏の際にチェックして下されば、と思います。

まあ、こういう事って好きになっちゃうと、これはこれで良いかな?なんて思ってしまえるものなんですけどね(笑)。


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